Sunday, July 25, 2010

さよならなんて、言えないよ。



毎週日曜日は彼が別居している娘さんに会う日。前まではふたりで会っていたんだけど、最近その娘さんのほうから私も一緒に、と誘ってくれるようになった。ここ数カ月は、ほぼ毎週会ってディズニーシ―、水族館、映画、ハイキング、など色々と3人で楽しんできた。彼女は今中学1年生で12歳。きっと私がどういう存在かちゃんとわかっていると思う。複雑な心境になることもあるだろうに、私に手紙やプレゼントを持ってきてくれる。人見知りがちで、あまり簡単に他人に心を開かないようなタイプの子だけど、私には初めて会った時から色々と話してくれた。それが私もすごく嬉しくて、会うたびに面白い話をしては、彼女を笑わせた。そんな彼女とも今日でしばらくの間お別れだ。パパとの貴重な時間に私を混ぜてくれてありがとう、という気持ちを伝えたくて、手紙とささやかなプレゼントを用意して、待ち合わせの上大岡で彼と待った。

午前11時20分。待ち合わせ時間より少し遅れて、はにかんだ笑顔で改札を抜けてきた彼女の手には大きな袋が。それを何も言わずに私に渡してきた。私もすかさず持っていた袋を渡した。無言で執り行われたそのプレゼント交換に、3人揃ってしばらくの間、笑った。

手打ちパスタのお店でランチをとって、プレゼントを開けてみた。おしゃれな雑貨屋さんの包みには、キャンドルやアロマグッツが入っていた。メッセージカードも添えられていたけど、さわりを読んだだけで涙が溢れそうになったので、慌てて閉じた。

それから私たちは映画トイストーリー3を観に行った。「さよならなんて、言えないよ。」というくだりを見ただけでもう鼻がツンツンしてしまっていたので、これはやばいな、と思っていたら案の定、終盤にさしかかる前に大泣きしてしまった。両隣から、同じく鼻をすする音がしたので、娘さんも彼も泣いていたんだと思う。主人公が大学へ進学するために家を出るシーンで、お母さんが、がらーんと片付いた部屋を目の前にして初めて、息子が本当に出て行ってしまうことを実感して、「ずっと一緒にいられたらいいのに・・・・。」と泣くシーン。本当にそうだよなぁ・・・と思った。ずっとずっと、彼とも娘さんとも一緒にいられたらいいのにって。なんでまたひとりでアメリカに行かなくちゃいけないのか?って。

帰りの電車の中は、3人とも無言だった。疲れていたのか、みなそれぞれに色々な思いにふけっていたのか、わからない。私はまだ油断すると涙が出てきそうだったので、あまり何も考えないようにして、窓の外の澄み切った空を見ていた。

さよならのとき。出てきた言葉は、ありがとう、がんばってね、また遊ぼう、だけだった。それ以上言うと泣きそうだったので、一生懸命こらえた。改札を通り抜けて娘さんが見えなくなるまで見送って、それから彼とまだ日の高い暑いホームに戻った。後ろから彼がぎゅっとするので、目をつむったら、それまでこらえていた涙が大粒になって3滴ほおをつたった。電車に乗ってから、おそるおそる私にくれたカードを開けてみた。私と過ごす時間がどんなに楽しいものだったかが、素直に綴られていた。12歳の女の子らしい、まっすぐで、温かい言葉の連続に、また涙が止まらなくなった。

Saturday, July 24, 2010

初ブログでやんす


 西新宿の彼のアパートのベッドの上。彼がこのブログページをセットアップしてくれた。出来上がって、彼が、"Okay, it's ready.  Now you can start blogging!" と言って私にコンピュータを渡してくれた。しばらくの間、何を書いていいのかわからなくなって、他の人のブログなんかをながめてみたりしたけど、そのひとはその人なりの出来事や、興味のあることを淡々と書いているんであって、私はわたしなりに書いて、このブログを作り上げるんだな、とあらためて思ったのでした。

今週末は、私が来月渡米するので、彼と東京で過ごす最後の週末です。
まあ、最後というと大げさで、最後ではないんだけど、でもしばらくは彼とこんな風にタオルを首にひっかけて、お風呂道具ひっさげて羽衣湯に行ったり、マルエツで食料品を買い物したり、道端の野良猫と遊んだり、コインランドリーに洗濯をしに行ったり、カントリーのかかるハンバーグ屋でランチしたり、そういう何でもない日常が、手の届かないところにしばらくお預けされてしまうので、それを思うとふと涙ぐんだりして、でもそれを口にするともっともっと涙が溢れそうで・・・
結局はいつものように、過ぎて行ってしまうのでした。

このブログは、これから始まる新しい生活、大学院のこと、初めて教える日本語のこと、アメリカ・インディアナ州での生活、遠距離になる恋人のこと、日々の出来事、などをベースに、私の、わたしらしい言葉で、素直に書いていきたいと思います。

どうぞよろしく!
naoko in Nishi-Shinjuku, Tokyo, Japan