Monday, September 7, 2015

9月6日 日曜日

9月6日 日曜日

今日は朝から雨が降ったり止んだりのすっきりしない天気で、私は図書館から借りて来た村上春樹のエッセイを読んではうとうとし、起きてまたその本を開いて少し読んでみては眠りに落ちたりして、一日のほとんどをベッドの上で過ごした。

マイクはと言うと、ここのところ何かに取り憑かれたかのようにコンピュータに向かい、なんと昨夜は一度もベッドに来なかったから、一睡もしていないことになる。それでも目を爛々とさせて、今も同じ体勢で仕事をしている。これには感心を通り越して呆れてしまう。さっき台所で緑茶を淹れている彼と鉢合わせになり、何気なく横に並んでみると、明らかに私の方が背が高い。一日中寝ていた人と、一日中寝なかった人との間ではこんなにも顕著に身長に差が出るものか!と身をもって知った。

たった今、その村上春樹のエッセイを読み終えたのだけど、すごく面白かった。「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」という本なのだけど、この間図書館に行った時に「本日返却された本」というカートを何気なく見たら並んでいたもので、その題名を聞いた事もなければ、もう20年近く前に出されたような本だったので、さほど期待はしていなかったが、それをいい意味で小気味に裏切ってくれた。前にも書いた事があるけれど、本当に面白い本に出合うと「一刻も早く次のページへと読み進みたいけれど、この本が終わってしまうのが惜しいから、出来るだけゆっくり噛み締めながら読みたい。それでもいかんせん早く先が読みたい」という葛藤にぶち当たる。そういう本だった。

中でも面白かったのは、村上春樹の21歳になる長寿の飼い猫、ミューズの話だ。あまりのおかしさにククククっ!と笑いがこみ上げて来てしまう事が何度もあった。隣の部屋では口を尖らかしてマイクが仕事をしているので、気付かれないように静かに笑うのがやっとだった。前に「村上さんのところ」というサイトで読者が「村上春樹の本は胎教に悪い」と言っていたのを思い出したが、こんなにも笑える内容ならば、問題はないだろうと思って最後まで読破した。そして、面白い本を読むと決まって思う事がある。「お兄ちゃんもきっと好きだろうな...。」...ということで、早速アマゾンで同じ本を注文し、お兄ちゃん宛てに送った。窓の外からは降り止むところを知らない秋雨の音。そして隣の部屋からは依然としてパソコンのキーの音が鳴り止まない。そんな日曜の夜更けです。さ、私はお風呂に入って寝よう。