Friday, January 10, 2014

ラジオのある生活

新春の初売りで、ラジオを買った。インターネットで世界中のラジオが聴ける時代に、わざわざアナログのラジオを買う人は、私くらいだろう。それくらい、ときに私は時代の先端からズレている。でもズレ過ぎていて、逆に新しい、なんて言ってくれる人はいないだろうか?まあ他人がどう思おうと関係ない。私はここのところずっと、誰が何と言おうとラジオが欲しかったのだ。

ラジオはラジオでも、小さなキッチンにちょこんと置けるような、コンパクトなのを探していた。そしてラジオを聴きながら、料理したり食器を洗ったりする。そんなラジオのある生活を夢見ていたのだ。そう、私の思い描くしあわせなんて、たかだかそういう小さなものなんですよ。

クリスマスイヴの夕方、新宿駅で買い物をしていたら、ふと夫が「クリスマスプレゼント何がいい?」と訊いて来たので、私は迷わず「ラジオ!」と答えた。それこそウェブの最先端をひた走る仕事をしている夫だが、カワイイ新妻(?)の頼みとなれば、仕方ないと腹をくくったのだろう。私達はその足で家電量販店に行って、一路ラジオ売り場を目指した。ラジオなんて今どき売ってるんだろうか?いや売り場さえもないかも知れない、と不安だったが、ラジオ売り場は思いのほか大きかった。2011年の3月にあった東日本大震災の時、ラジオが非常事態の情報収集において大活躍した、というのはどこかで聞いて知っていた。その影響だろうか、手動充電式のラジオが「防災用!」とか「緊急時に!」とかいうステッカーを付けられて、何種類も並んでいた。多く見かけたのが、このような↓ラジオだ。黒い部分を回すを充電される仕組み。



こういうラジオの利便性や必要性は理解できる。ライトも付いているし、緊急時にはもってこいだろう。でも、これは私がイメージしていたラジオではないのだ。私は毎日使う、もっと小さな「普通の」ラジオが欲しかったのだ。こういうゴッツイのじゃなくて、もっと可愛らしい感じの。しかもこういう手回し充電式のラジオ、お値段も可愛らしくない。中には1万円以上もするラジオもあって本当にびっくり。私はせいぜい二千円くらいで買えるようなラジオでよかったのだ。それから私達は取り憑かれたかのように、その見た目もお値段もキュートなラジオを追い求め、量販店を二件もはしごしたが、その日は結局見つからなかった。

それでも私の『よもやラジオ熱』は冷めることはなかった。年末年始を私達は信州の実家で過ごしたのだが、私が口を開けばラジオラジオとうるさいので、見るに見かねて両親が近くの量販店の初売りに連れて行ってくれた。そこで、私はこの↓dream radio笑と出合ってしまったのだ!



私が探し求めていた夢のラジオは、まさにこういうラジオだったのだ。これくらいコンパクトなら狭い台所に置いても場所をとらない。色も形も値段も気に入った。これで念願の「ラジオのある生活」ができるっ!と心弾んだ。新宿のアパートに帰って来て、荷物を解いて鞄から真っ先に出したのが、言うまでもない、このラジオだ。どうしても、このキッチンに置いてみたかったのだ。その時に撮った写真がこれ。



写真では見えにくいかも知れないが、うちのキッチンは狭いながらもタイル貼りの壁に、ちょこんと小物を置けるスペースがあって、そこに私ドリームラジオは腰を据えた。もう完璧過ぎて涙が出そうだった笑。かくして私の二週間に渡るradio hunting劇は幕を閉じた。私の夢のラジオは、今ではあたかもそこに置かれるために造られたかのように、堂々と根を張っている。そして私はラジオのある生活にささやかな幸せを感じながら、残り三ヶ月の専業主婦生活を楽しもうと思っている。



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