人工知能学会の学会誌「人工知能」の表紙:人工知能学会のウェブサイトより |
こんなに頼もしい女性がいたものか!と喜び勇んで、私は格好の獲物を見つけたライオンのように彼女のつぶやきに食いつき、下のような返事をツイートした:
そんなスプツニ子!さんが近々ラジオに出演することを知って、大晦日の深夜、NHKFMの特別番組「スプツニ子!はみだす力 2014 新春ラジオ」を聴いた。そこでも彼女は私の期待を裏切ることなく、とても興味深いことを言っていた。中でも私がなるほどな〜と思ったのは、来る2020年の東京オリンピックの開会式について。彼女は、大まじめに「正しい日本」を伝えようとしないで、遊び心を入れるのも必要だと語った。例えば、オリンピックのセキュリティーガード(ガードマン)が全員忍者のいでたちをしていて、入場券は手裏剣だったりすると、忍者好きの外国人なんかは大いに喜ぶんじゃないか、と言っていた。何故かというと、彼女はMITでアメリカ人によく忍者について聞かれたりするらしい。確かにそう、私もアメリカに10年以上住んでいたので、アメリカ人の忍者に対する強い憧れは熟知している。去年アメリカの大学で日本文化のクラスを教えた時も、「どうしてこの日本文化のクラスを受講しているの?」という質問に「忍者が好き。忍者についてもっと知りたいから」と、目をキラキラさせて語る学生に何人も会った。2年前に金沢を旅行した時に出会ったアイルランド人の男の子も、子供の頃からずっと忍者に魅せられていて、金沢にある忍者屋敷を見るために、日本に来たようなものだ、と言っていた。スプツニ子!さんは、GEISHAとか外国人の好きそうな、でも「ちょっと勘違いの日本」でもいい。勘違いから始まった日本愛でもいいじゃないか、と言っていた。今まで私も「正しい日本」を教えようと、日本語や日本文化を教えてきたけれど、彼女の考え方はとても斬新で、しかも説得力があって考えさせられた。もっともっと彼女のことを知りたくなってしまった。
そこで買ったのが彼女の初著書「はみだす力」だ。いじめと戦い、劣等感の塊だった思春期。研究や制作に明け暮れた学生時代。決められた型に収まらずに、ぶっ飛んだ生き方をしながらも、世界のアートシーンから認められ、着々と成功を収めていく様が、読んでいてとても気持ちいい。ついにはアカデミアにも目をつけられ、MITメディアラボの助教授の座にまで登り詰めていく彼女。ラジオでも誰かが言っていたけれど、出る杭は打たれるけれど、出過ぎる杭は打たれない、というのをスプツニ子!さんが身をもって証明してくれたような気がする。これからも、彼女の活躍っぷりに、ますます目が離せない。
※この本は自分用に一冊、そして16歳になる私の継娘 (step-daughter)にも一冊買った。スプツニ子!さんと同じハーフとして日本で育っているので共感できる点も多いかも知れない。これからも彼女らしく、自由に生きていってほしいという思いを込めて、この本を贈ろうと思っている。 |
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