Tuesday, August 24, 2010

You always tell me what I want to hear, my darling

It was late Wednesday night.  I was at Greyhouse Coffee shop, talking with my boyfriend online with tears constantly running down the cheek.

"You are going to end up being the most popular teacher there.  Believe me about that.  Your students are really going to *like* you.  They will look forward to your class and look forward to talking with you in Japanese.  You will make them smile and laugh and feel happy, like you do with everybody.  People *like* you.  You don't have to try hard to make them and if they like you, they will want to learn from you.  You will find a way to teach on your own.  *Your* own way, and it will work."

I am still sobbing...and he continues.

"Trust me, I know you.  You are like a cat."

I look up for the first time and say "A cat?"

He said,

"Somebody can hold you up way high, and drop you, and you will always hit the ground feet first, all four feet, smiling.  I really love you.  You are a very special person, and nothing can stop you when you set your mind to it."

Earlier that day, I had to perform a teaching demonstration to a couple of faculty members and other TA staff.  Because I was inexperienced and nervous and all, I did poorly on that, and I was becoming negative about everything.  I simply did not think I should have been a teacher to begin with, so I was crying and saying that this was end of the world.  

My boyfriend is always very good at calming me down, when I am all worked up like that.  He knows and tells me what I want to hear the most.  After I stopped crying, he did not forget to tease me.  He asks, "Do you remember when you were trying to get your driver's license?"  I say yes.  He says, "Remember how you cried and how hard it was?"  I say, "Oh did I cry for that???"  He laughs and says, "That is what you will be saying later about this." 

He is very true.  I cried when I failed my Japanese driver's license test four times, but it really wasn't a big deal.  I can laugh about it, and now it has become a good story to tell.  

He also told me this,

"When you are teaching *real* students, you will shine.  The thing is, you genuinely really, really *like* people.  That is something that most people don't have."

I felt like I was ready to go teach *real* students then, and here comes this morning, my very first Japanese class, JPNS 101.




Wednesday, August 11, 2010

胡桃沢さんのこと

胡桃沢(くるみざわ)さんというひとがいる。実家の近所にひとり暮らしする年配の女性だ。人柄が良く、行動的で活発なので、友人も多い。わたしの両親にとても良くしてくれるひとで、自身が参加したコミュニティーカレッジを勧めてくれたお陰で、父と母は50代にして体育大学へ通い、そこで気の合う仲間にも出会えた。専業農家で、近所にも土地を沢山持っているが、3年前に旦那さんが亡くなってからは手に負えなくなり、石倉さんも農業やってみませんか、と余っていた畑を無料で貸してくれている。両親はおかげで家庭菜園という共通の趣味もできた。本当にいいひとだ、とみんなに言われるようなひとだ。

このあいだ、その畑でじゃがいもの収穫をしていたとき、 「こんなことするの初めてでしょう~?」と、胡桃沢さんが立ち寄ってくれた。私がまた渡米することも知っていて、今度はどのあたりへ行くの?と訊かれ、シカゴから2時間ほどのところです、と答えた後、私は、あ!しまった・・・と思った。

胡桃沢さんは、4年前にまだ当時30代前半だった息子さんを亡くしている。息子さんは有能なひとで、地元でトップクラスの高校を卒業後、大学に進学して、一流企業に勤めていたらしい。婚約者もいて、結婚を控えたある日、突然の心臓発作でアメリカ出張中のシカゴのホテルで帰らぬ人となった。胡桃沢さんは、その息子さんの亡がらを引き取りに、一度だけシカゴに行っている。どんなに無念だったろう。普段は気丈でニコニコしているけれど、あのことだけは、思い出しなくないだろう・・・シカゴ、という地名を意気揚々と口にしたことを本当に悔やんだ。

しかし、次の瞬間、思いがけないことが起こった。胡桃沢さんの顔が、ぱっと明るくなったのだ。「シカゴ!あ~、わたしもう一度行ってみたいんだよね、シカゴ。お線香もあげたいし。」と遠くをみて静かに微笑んだ。目を背けることなく、過去としっかり向き合いながらも、その最も辛い出来事を、もう済んだ過去のこと、として引き出しの一番奥に大切にそっとしまい、しっかりと前を向いて歩いている姿に、私は本当に頭が上がらなくなった。胡桃沢さんと一緒に掘ったじゃがいもは、まだ土の匂いの残る、あったかい田舎の味がした。

Tuesday, August 10, 2010

孤独な夜のココア

田辺聖子著の「孤独な夜のココア」という本を読んだ。12の短編集から成り、どれも20代の女性が主人公の恋愛小説だ。私は32歳だから、彼女達より上だけれど、読んでいて、幾度か自分と重ね合わせることがあった。

私が気に入った作品は、「春つげ鳥」と「ひなげしの家」のふたつだ。「春つげ鳥」の主人公は22歳の碧。44歳の笹原さんという恋人がいる。彼には別居中の奥さんと子供がいて、子供が大学を卒業する2年後には奥さんと離婚して、碧を結婚をする予定でいる。笹原さんはそれまで、碧と一緒に暮らすための家を買い、ふたりは同棲を始める。そしてふたりは、がらんどうの新居に、必要なものを買い物に行く。
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「お茶の道具と、コーヒーカップ、それにお箸、どんぶり」
「何するねん、どんぶりなんか」
「ラーメン食べるでしょ」
というと笹原サンは笑い出した。
「グラスを忘れんようにしてくれ、酒の」
「タオルや歯ブラシは?」
「あるわけないでしょ、ホテルと違うんやから!」
コマゴマした買物が、じつにたのしかった。
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このくだりで、私は一度本を閉じてしまった。痛いほど、碧の気持ちがわかったから。こういう生活感のある買物って、生活を共にしないと買えないもので、恋人と一線を越えた証拠だからだ。エンディングもすばらしかったけど、この部分が私のこころに深く残った。

「ひなげしの家」は、主人公の叔母さんである38歳と枝折と彼女の連れ合いである42歳の正彦のお話。お互いに遅くなって知り合ったので、いっときでも長く一緒にいたい、というふたり。姪である主人公が、ときどき目のやり場に困るくらい、ふたりは仲がよかった。でもその叔父さんが病気にかかってしまうところから、物語は急展開する。
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わたしは生涯のうち、いくつになってもいいから、双方から愛し愛される恋にめぐりあいたいと思っている。片思いの恋や、条件つきの結婚ではなく。そんな恋は、もしかしたら叔母さんみたいに、四十や五十になってから、やっと訪れるものなのかもしれない。
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私はここで涙が出た。あまりにも美しすぎたから。そして、私も幾つになっても、こういうホンモノの恋をしていたい、と思った。

あと30分もすると、アメリカへ10日ほど里帰りしていた恋人が、成田に着いてからすぐに、松本行きの高速バスに飛び乗って 、わたしのもとにやって来る。わたしの大好きなひと。思いっきり抱きしめてあげたい。お帰りなさいって。

Tuesday, August 3, 2010

引越しの日

引越しの日の朝。カーテンを外して、更にがらーんとしたダンボールだらけの部屋で、私たちはこの小さなアパートでの最後のときを過ごしていた。簡単な朝食の後、引越し屋さんを待つ間、彼はいつものようにコンピュータに向かい、私は残った荷物をまとめていた。ふと、不動産屋さんに鍵を返さないといけないことを思い出し、彼に貸していた私の部屋の合鍵を返してもらった。そうして、私が持っていた彼のアパートの鍵も返さなくちゃ、と私のキーホルダーからそれを取り外していると、彼がいつになく寂しい顔をして、「もう要らないの?」と私に言った。私が、「持っていてもいいの?」と訊くと、彼は、やっと安心した顔になり、「もちろん!」と微笑んだ。

私たちがお互いの鍵を交換したのは、出会ってから1ヶ月ほど経ってからだったと思う。どうやって交換したのか覚えていないほど、それは自然に起こった。それから自由にお互いの部屋を行き来する生活が今日まで続いた。これからアメリカに住む私には、西新宿にある彼のアパートの鍵はどう考えても必要ないけれど、彼の、私に持っていて欲しい、という気持ちが、ただただ嬉しかった。

平日のほとんどをふたりで過ごしたこの湘南台のアパート。最後にふたりで記念撮影。またいつか、今度はふたりで暮らせる日が来ることを願いながら・・・