Tuesday, August 3, 2010

引越しの日

引越しの日の朝。カーテンを外して、更にがらーんとしたダンボールだらけの部屋で、私たちはこの小さなアパートでの最後のときを過ごしていた。簡単な朝食の後、引越し屋さんを待つ間、彼はいつものようにコンピュータに向かい、私は残った荷物をまとめていた。ふと、不動産屋さんに鍵を返さないといけないことを思い出し、彼に貸していた私の部屋の合鍵を返してもらった。そうして、私が持っていた彼のアパートの鍵も返さなくちゃ、と私のキーホルダーからそれを取り外していると、彼がいつになく寂しい顔をして、「もう要らないの?」と私に言った。私が、「持っていてもいいの?」と訊くと、彼は、やっと安心した顔になり、「もちろん!」と微笑んだ。

私たちがお互いの鍵を交換したのは、出会ってから1ヶ月ほど経ってからだったと思う。どうやって交換したのか覚えていないほど、それは自然に起こった。それから自由にお互いの部屋を行き来する生活が今日まで続いた。これからアメリカに住む私には、西新宿にある彼のアパートの鍵はどう考えても必要ないけれど、彼の、私に持っていて欲しい、という気持ちが、ただただ嬉しかった。

平日のほとんどをふたりで過ごしたこの湘南台のアパート。最後にふたりで記念撮影。またいつか、今度はふたりで暮らせる日が来ることを願いながら・・・

2 comments:

  1. you are absolutely right about that, my love...but it is called 自画自賛(Jiga-Jisan) in Japanese :)

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